私の顔を見た瞬間
その子の顔は曇った。

「どうかしました?」

私が聞くとその子は顔を上げて

「ううん!顔が似てて…」

「誰に?」

そう言うとその子は
悲しそうな顔をして言った。

「昔の友達に…」

するとその子は笑顔になって

「ごめんね!変な事言って…」

私は首を振った。

するとその子は笑った。

それから少し話していると

「あっ!名前聴いてなかったね」

私はあっ!っと思い

「和田菜月です!」
と、言った。

すると
その子は「えっ?」と、言った。

そう言ったあとに
笑顔になって

「私は上原由紀」

そう言った。

由紀は私を菜月と呼ぶ。
だから私も由紀と呼ぶ事にした。

私は由紀に
菜月と呼ばれるたびに
心が痛くなった。

理由は分からなかったが…。