私は西山に呼ばれた場所に行った。
その場所は…。

「ごめん。屋上で…」

そう。
屋上に呼ばれたのだ。

「よく見つけれたね…」

「たまたまだ」

屋上はそう簡単には見つけられない。

なぜなら
VIPルームの中のクローゼットを
通って階段を上らなきゃいけない。

外からは分かりやすいが
中からは分かりにくかった。

「で、話って?」

私は西山に聞いた。
西山は屋上から見える景色を見ながら

「麻奈の事」

「えっ…?」

私は西山に近づいた。

「って事は…」

西山はこっちを見て

「麻子の事でもある」

そう言って
屋上のベンチに座った。

「座ったら?」

私は
西山の隣に座った。

「何を話したら良い…?」

西山は質問をしてきた。

私はその時
西山の顔が少し悲しそうに見えた。

その顔は
麻奈のすべてを教えてくれていた。

「知ってる事全部」

私の答えに
西山は笑った。

「じゃあ言うな」

そして話を始めた。