「千沙ちゃん、心配してたわよ?」


千沙……。


ウーロン茶をそそいでいた動きが、一瞬止まる。


その拍子に、コップからあふれたウーロン茶がテーブルを濡らした。


「もう、あんたなにボーっとしてんのよ」


「なぁ。千沙、何か言ってたか?」


「最近会ってないけど、責任感じてるみたいだって、勇士は言ってたよ?」


母親、がテーブルをふきながらそう言った。