苛立ちから、ドンッと壁を殴った時、病室のドアが開いた。


ノックもせずに入ってくるのは、強か力耶だけだった。


「調子はどうだ?」


そう言って入ってきたのは力耶だった。


「最悪だな」


「だろうな。暴れたくても暴れられなくて、イラついてんだろ」


力耶はそう言いながら、丸椅子に腰を下ろした。


「今日は何の用だ?」


ただの見舞いなら、手土産の1つくらい持ってくるのが力耶だ。


でも、今日はその手土産がなかった。