~力耶side~

「大丈夫か?」


俺は女の背中をさすってやりながらそう聞いた。


胃の中のすべてを吐ききった女は、少しむせながらもうなづいた。


「お前、どうしてこんなところでこんな事になってんだよ」


「……今日、ここでライブイベントがあって……学校あったけど、チケットが無料で手に入ったから、さぼって来たの」


今日はライブイベントだったのか。


「それで?」


「それで、ライブが終わったから帰ろうとしたんだけれど、その時男に声をかけられて……薬を渡されたの」