~大志side~

俺は携帯をジーパンのポケットへねじ込み、バイクにまたがった。


カナタは港の倉庫だと言っていた。


だとすれば、もう目指す場所は1つしかない。


このへんの不良グループがタムロしたり、喧嘩の場所として使っている所だ。


きっと、あそこに千沙はいる。


バイクにキーを差し込んで回そうとした時、「大志、出かけるのか?」という声が聞こえてきて、俺は振り向いた。