☆☆☆

力耶のライブハウスに到着すると、この前の集会のときと同様に駐車場はいっぱいで、俺は路肩にバイクを停車させた。


「千沙、着いたぞ」


「うん」


俺の腰から、千沙の腕が離れる。


その瞬間、温もりが消える喪失感を少しだけ覚えた。


「今日は天気が良くてよかったね」


「そうだな。バイクも、極力濡らしたくない」