痛い。 赤い 赤い これはあたしの血? だれか あたしを救って───────… 「…ッ」 記憶のフラッシュバックをなんとか止めようと、笑顔を作ることに必死になってみる。 しかし努力の甲斐なく、記憶は容赦なく襲ってきた。 「嫌だ、死にたくない。痛い。たすけて、お母さん…」 ボソボソと独り言のように呟く。 あ、最悪だ。 敵にこんな姿を見せるなんて。 そう思いながらも、押し寄せる記憶に耐えきれず、頭を抱えて俯く。 そのせいで、長い髪が前に垂れて顔を隠した。