「あたしは何人も、人を殺してきた。
それなのに…
あたしだけ幸せになるなんて、許されない。
今でも不意に、そう思うことがあるの。
それに…
あたしは今まで沢山不幸せな人を見てきた。
あたし自身も、幸せとはいえない道を歩いてきた。
だから…幸せをもらったら、自分が狂いそうで怖いの。
自分がどうなるか分からないから…怖いの。
あと、お父さんのお兄さんに…叔父さんにうけた傷が沢山体に残ってるから、肌もきれいじゃないし…」
あたしは言っているうちに記憶がよみがえり、目に涙がたまった。
しかし静は、ふるふる、と震えるあたしの手を、しっかりと握った。


