「生きてる…」
「…そうや、オレは生きとるんや。」
「あ、あ…!
これが、“生きてる人間”…?」
「…じょうちゃん、もう随分と生きた人間に触ってなかったんやろ。
だから、体温があったかく感じるんや。
そんなになるまで、死体を…」
「アタシが、掴むモノは…いつも、人を傷つけるモノだった…!
アタシが抱くモノは…いつも冷たく、重かった…!
生きた人間がこんなにも暖かく、心地よいものなんて…
こんなの、知らない…!
もうこれ以上、温もりを奪いたくない…!
人殺しなんて、もう…!」
「…やっと、吐き出しおった。
それで、いいんや。
おっちゃんが、助けたる。」
「ほん、とに…?
信じても、いいの…?」
「あぁ。信じてくれ。
見つかるとは思うけど、その間に真実を知れば…じょうちゃんも、変われるかもしらん。」
「変わる…?」
「あぁ。
ちゃんと、心の底から笑えるように、なるはずや!!」
「笑う…」


