─────────
──────
───…
「doll、次の案件だ。」
「はい、マスター。」
「やってくれるな?」
「Yes、master。」
アタシはそう言って部屋を出た。
これで、何人目だろう。
罪のない人、知らない人を殺すのは。
いつの間にか、アタシには『doll』というハンドルネームができていた。
人形。
その通りだと思った。
アタシはマスターの人形。
以前、あたしに声をかける人がいた。
その人は言った。
『可哀相に。
そんな泣きそうな顔しないでくれ。』
哀れむなら助けて
慰めるなら、殺して
ただただ、その人を睨み、恨み、憎んだ。
そして、アタシは『泣きそうな顔』と言われるのが嫌で、その日から笑うようになった。