本部に戻ると、再びトイと会った。
トイ))「星川瑠璃。」
「…。」
あたしが振り返ることはなかった。
だってあたしはdollだから。
トイ))「おい!!」
肩を、ぐいっと引っ張られる。
「…。」
あたしはその腕をひねりあげた。
「…なにかな、トイ。用がなければ行くけど。
あたしはdollだ、そんな名前ではない。」
トイ))「いっ…!doll、力の加減くらいしろ!!」
「どうしてトイにする必要があるの?」
トイ))「…っ明日、オマエ警視総監の警護で、町外れの廃墟に行くだろ?」
「ええ。マスターが廃墟の土地の広さを見たいって言うから。
そこを、死体置き場にするそうよ。」
トイ))「…なんてこと、考えてやがる。」
「当たり前でしょう?
前の場所が、溢れかえってしまったんだから。」
トイ))「おまえ、そこまで壊れたのか…!?」
壊れた?
なに言ってるの、トイ。
「あたしはもともと、壊れてるよ。」


