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『dollの初仕事だ。』
「…ターゲットは。」
『ターゲットは…星川冴子だ。』
「は…?お母さんと、同姓同名の方でしょうか?」
『いや、おまえの生みの親だ。』
それは、確実に母だった。
「お母さん…死んで。」
「瑠璃…」
いやだ。
なんでお母さんを殺さなくちゃいけないの。
あたしの唯一の見方を。
「…できない。やだよ、お母さん!死んじゃやだよ!」
「瑠璃…。」
お母さんは、カッターを持つ手がふるえるあたしに、こう言った。
「やらなきゃアナタが殺されるでしょう?」
そう言って、両手を広げたんだ。
「無理…お母さん殺すくらいなら、あたし死んでもいい!」
「なんて事言うの!!…瑠璃、アナタは今後、辛い目に遭うでしょうけど、ちゃんと自分を保つのよ。」
お母さんがいないと無理、そう言って、カッターをおろそうとしたその時。
トンッ
誰かに背中を押され、前のめりになる。
「あ…」
トスッ
軽い、音がした。
「おかぁさあぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!」
お母さんは、自分のお腹に刺さったカッターをふるえる手で握るあたしを、優しく抱きしめて、『瑠璃…』と言いながら死んでいった。


