───dollside …あたしはもう、すっかりdollになった。 睦月カナなんて、存在しなかったかのように。 「doll、次の仕事だ。」 本部に戻ってから、仕事が絶えない。 (この人は…あたしの名前を知らないんじゃないだろうか) 時々思う。 なんせあたしは、今まで一度も名前で呼んでもらったことはないのだから。 星川瑠璃 なんて、まるで知らない人のように。 一度も、その名前で呼んでくれた日はない。 そりゃあそうか。 あたしの初仕事に、ターゲットをお母さんにしたぐらいだもんね。