ふたりのガーディアン

「優月、あそこに座ろう」


そう言って蒼甫君が指差すのは、湖のすぐ近くにあるベンチ。


私達はその桜の木の下のベンチに座り、頭上に広がる桜の花と目の前に広がる湖を眺めた。


湖には太陽の光が反射し、キラキラと私達の顔を優しく照らしている。


「なぁ、優月…」


「ん…?」


「俺ね、実はここ何年も桜を見た事がなかったんだ」


「え?」


どうしてなんだろう。


「桜を見たら、優月を思い出すから。

思い出すと苦しくて…。

泣きそうになってたんだ」


「蒼甫君…」


「優月と一緒なら見れると思って…。

だから、どうしても桜のある場所で優月と会いたかったんだ…」


「そう…だったの…」


私も桜の木の下に立つのはイヤだった。


蒼甫君の誕生日に会えなかった、あの寒い日を思い出すから。


今でも雪の日は涙が出てしまうほど…。