ふたりのガーディアン

写真集が終盤に差し掛かってくると、『私の原点』と題して、一台のカメラが紹介されていた。


あ…これ。


前に河原で俺を撮ったカメラだ。


父親にもらったこのフィルム式のカメラが、写真への情熱の原点になった…か。


写真を通じて、今この瞬間をとらえること。


一期一会を見続けて来たと書いてある。


そうだよな。


アイツ、俺のこと真剣に丁寧に撮ってた。


カメラって奥が深いよな。


もちろん、テクニックってあるんだろうけど、最終的に出るのは、撮る人の人柄かもしれない。


そして、俺はまたページをめくった。


なになに?


『私の原点 その2』


空の写真と…。


こ、これは…!


俺が砂で作った亀だ。


瀬名が描いた俺の顔もある。


ということは、この空は…。


おじきの家の近くで撮った空なんだ。


これが初めて撮った写真…か。


そうか。


あれがアイツのカメラ人生の始まりだったんだな…。


俺はさらにページをめくる。


『私の原点 その3』と書かれている。


「あ…」


こ、これ…!!!