「ひゃー。びしょ濡れだな」


「見てー。スカートが絞れる」


「風邪引くとまずい。

とりあえず、ウチに上がって」


私と瀬名君はバタバタと騒がしく家の中に入った。


「優月、シャワー浴びろ。身体が冷えてるはずだから」


ポタポタと廊下に水滴を落としながら、私達は真っ直ぐ脱衣場へと向かった。


「制服は洗濯機で脱水かけてみようか。
わりと乾きやすい素材だし。
ブラウスと靴下は、乾燥機かな」


「ん、そうだね」


そうは言ってみたけど、私はどうしたらいいかよくわからない。


瀬名君って、普段から洗濯の手伝いとかしてるのかな?


なんか慣れてるし、テキパキしてて感心しちゃう。


「下着は?」


「えっ?あー、下着は大丈夫っぽい」


ギリギリ濡れてないって感じだな。


「そうか。それなら良かった。

まぁ、とりあえずシャワー浴びてて。

俺、着替え取ってくるわ」


そう言うと瀬名君は、脱衣場の扉を閉めた。


「さて、と…」


私はすっかり濡れてしまった衣類を脱いだ。


お風呂場に入り、シャワーを浴びる。


以前、さっちゃんとここのお風呂に入ったけど、その時とはちょっと違う感覚だよね。


なんとなく恥ずかしいし、ドキドキする。


すっかり冷たくなっていた体が温まったので、私はキュッとシャワーを止めた。