「優月。そんなこと言われたら俺…期待してしまう」


ドクンと心臓が跳ねる。


「あんまり勘違いさせるなよ…」


「瀬名君…」


「無防備過ぎるぞ」


そうだよね、私…。


いけないよね、こんな…。


「優月…。まだ蒼甫が好きだとは思うけど…。

でも…。

もし、少しでも可能性があるなら…」


「え…」


「俺と付き合うこと、考えてみて…」


「瀬名君…」


「俺はずっと優月が好きで。

好きで好きで、どうしようもないんだ…」


どうしよう。


心臓が激しくドキドキしてる。


「ゆっくりでいいから。

ずっと待つから…。

俺のことも、少し見て…。

そばにいたい。

もう二度と離したくないんだ」


瀬名君…。


もしあの時、蒼甫君が去っていて、瀬名君が一緒にいてくれてたら。


私はきっと、瀬名君を好きになっていたと思う。


だってこんなに深く、私を思い続けてくれるんだもの。


好きにならないはずがない。


私だって、いつも瀬名君を頼ってた。


もしかしたら本当に…。


好きになってしまうかもしれない。


これから…。


そうなるかもしれない。


私はコクンと頷いた。


瀬名君が優しく微笑む。


「優月。ゆっくりでいいから。

無理はせずに…」


「…うん」