ふたりのガーディアン

「蒼甫、知らないのね」


「え…?」


「優月ちゃん、進学しないのよ」


「えっ。どうして?」


「お父さんの会社がね、倒産したのよ」


「えぇっ?それっていつ?」


「えーっと、確か2月か3月くらいだったかしらね」


そんなに前に?


知らなかった。


どうして話してくれなかったんだろう。


あぁ。


だから俺が大学の話や進路の話をしたら、いつもあんなにつらそうだったんだ。


どうして言わないんだ。


どうしてアイツはそんな大事なことを…。


どうして一人で背負い込むんだよ。


俺、そんなに頼りなかったのか?


なんか悲しいよ、優月…。


いや、違う。


アイツはすごくわかりやすいヤツだ。


嘘がつけないんだから。


つらそうな顔してたのに。


俺がわかってやれてなかったんだ。


俺のせいだ…。