「相手が悪かったと思うしかないな」


「……っ」


そんな…。


「お前、アイツのこと好きなんだろ?」


好きだよ。


大好きで大好きでたまらない。


「アイツが好きなら。

アイツのためを思うなら」


全身がどうしようもなく震えてしまう。


そんな私の心に洋平君が、さらにナイフを突き立てる。


「どうすればいいか、自ずとわかるはずだ」


そん、なの…。


わからないよ。


「アイツの足だけは引っ張るな。

しっかり考えろ」


イヤだ。


考えない。


考えたくもない。


「そばにいるだけが、大事なんじゃないぞ」


私はもう、何も言い返せなかった。


洋平君の言葉が、しんしんと私の心に降り積もって。


もう身動きがとれなかった。