「ねぇ、優月ちゃん。蒼甫を説得してくれない?」


「えぇっ?私がですか?」


「蒼甫、優月ちゃんの言う事なら、聞くんじゃないかしら?」


「え、でも…」


「優月ちゃん、もしかして蒼甫に仕事辞めて欲しいの?」


「うっ」


内心、それはあるんだよね。


だって、もっと一緒にいたいもの。


「蒼甫が売れたって恋人でいられるわよ。

高校を卒業したら、このままこの事務所で蒼甫の専属マネージャーになったっていいのよ?

そうしたら四六時中いられるでしょ?」


「えぇっ?」


そんな強引な…。


あ、でもちょっと想像しちゃった。


マネージャーになって、蒼甫君とずっと一緒にいられるのは、なんだかちょっと嬉しいかも。


いや、実際大変だよね。


守屋さんを見ていたら思うもの…。


「とにかく!ちょっと蒼甫に話してみてよ。

遅くても11月の中旬までには、重光監督に返事をしないといけないんだから。

ね、お願い!」


必死に手を合わせるイチャさん。


「わ、わかりました…」