ふたりのガーディアン

「お前ら、これからどこ行くの?もう帰んの?」


「私は今からバイトなの。蒼甫君は帰るけど…」


「バイトか…」


顎を触りながら、何かを考えている洋平君。


しばらくすると、ハッとした表情をして私の顔を見た。


「なあ。俺も竹内優月の事務所に行くよ」


「えっ?な、なんで?」


「高田さんに挨拶しに」


「そんな必要ないよっ。他の事務所のモデルさんが来たらまずくないかな?」


「いいから、行くぞっ。
神崎、お前は帰るんだろ?
じゃあ、ここで解散だ」


洋平君の言葉に、蒼甫君の目が倍くらいに大きくなった。


「ちょっ、洋平。何言ってんの?」


「竹内優月。行こう」


そう言って、私の肩を抱き寄せる洋平君。


それを見た蒼甫君の顔がクシャッと歪んで、慌てて飛んできて私を奪い返した。


「二人でなんて誰が行かせるかよっ。俺も行く!」


「え?蒼甫君…?」


「お前も来るの?来なくていいのに」


洋平君が、切れ長の目をさらに細めた。


「絶対に行くからっ!」


あれ~?


な、なんでこんな事に~?