ふたりのガーディアン

裕樹が誘ってくれて、やたら金持ちの家のパーティーに参加したはいいけど、どうやら俺と裕樹以外は全員カップルみたいだな。


全員仲良しなんだろうけど、さすがにこの中に男一人で参加するのは、裕樹もつらいよな。


でも、確か裕樹は彼女がいるって言ってたよな。


どうして連れて来ないんだろう。


「おい、裕樹。お前、どうして彼女を連れて来なかったんだ?」


俺の質問に、裕樹が俺の顔をじっと見つめる。


綺麗な顔して、そんなに見んじゃねぇよ。


「予定が合わなくて」


ボソッとつぶやく裕樹。


基本、彼女のことはあんまり話したがらないよな。


まぁ、いいけど。


「俺、ちょっと付き人さんと話して来ていい?」


俺の言葉に、裕樹の眉がピクッと上がる。


「なんで?」


「なんでって話したいから」


「何話すの?」


「何って普通の世間話だよ。何ムキになってんだよ」


「ムキになってはないけど。蒼甫の彼女なんだからな。そこ、わかってる?」


「んなこたーわかってるっつの。

どしたの?お前」


「……別に」


よくわからん裕樹はほっといて、俺は付き人さんのところへ向かった。


その時、俺の前にスッと誰かが立った。


「ホント、あなた背が高いわねー」


この家の住人か。