早速カウンターで、コーヒーの準備を始める。


「あれ~?また優月ちゃんの知り合い?」


店長が目をぱちくりさせる。


「はい。高校の友達です」


カップをセットしながら答えた。


「この前来た彼といい今日の彼といい、ものすごい男前じゃん。

今度こそ、優月ちゃんの彼氏だったりして?」


「違いますよっ」


小声で叫ぶと、私は瀬名君の待つテーブルへと向かった。


「お待たせ。これ、お店で一番人気があるの」


コトンとテーブルに置いたカップを、瀬名君は細長い指で持って口へと運ぶ。


「うん、うまいね」


にっこり口角を上げる瀬名君。


瀬名君がコーヒーを飲む姿って、なんだか大人っぽくて素敵だなと思った。