私は海の家のバイト中、瀬名君の元カノが現れた事。


その彼女と瀬名君がヨリを戻した事。


蒼甫君に告白された事。


そして、付き合い始めた事を説明した。


「え~?知らない間に、色々あり過ぎだよ~。
頭が追いつかないよ~」


さっちゃんは、ちょっとパニックみたい。


「瀬名君の元カノにもビックリだけど。
優月ちゃんと蒼甫君が付き合う事になったなんて、本当にビックリだよ」


私自身もビックリしてるから、当然かもしれない。


「蒼甫君が優月ちゃんを好きなのは、わかってたんだけど。
夏の間に告白してたのね」


「え?さっちゃんは、蒼甫君の気持ち知ってたの?」


さっちゃんは、目を大きく見開いた。


「蒼甫君の近くにいたら、誰だって気づくよー。でも優月ちゃんは、全然気づいてなかったよね」


さっちゃんが苦笑いする。


うっ。やっぱり私って鈍いのかな。


「それにしても瀬名君、ヨリを戻しちゃうなんて。
その元カノの事が、すごく好きだったのね。
私はてっきり優月ちゃんを好きなんだと思ってたのに。
これは勘が外れちゃったな」


胸の奥がチクリと痛む。


瀬名君…。


瀬名君を思うと胸が痛い。


薫さんの元へ行くのなら、何も言わずに行って欲しかった。


どうして。


どうして好きだなんて言ったの?


薫さんのもとへ行くなら、言ったってどうにもならないのに…。


「でもこれでみんな恋人が出来たね。

いつか静華ちゃんと渋谷君も誘って、4組で出かけてみたいね」


そうか。


私達、一年の頃と違って、みんな恋人が出来たんだ。


そうだよね。


いつか。


いつかみんなで…。