休憩時間になると、一斉に男子が静華ちゃんを囲んで、質問攻めにし始めた。


「彼女、すごい人気だね」


「さっちゃん、この前話した蒼甫君の幼なじみだよ」


「えぇっ?そうなの?」


さっちゃんがビックリしていると、蒼甫君と瀬名君が私達のところへやってきた。


「蒼甫君。静華ちゃんが転校して来るって聞いてたの?」


「全然知らなかった。っていうか、アイツ何考えてんだ?」


「この時期に転校なんて、どういう事だろうな」


瀬名君もいぶかしそうに首を傾げる。


私達には、さっぱりワケがわからなかった。





しばらくすると、ガタンと椅子が動く音がした。


そこに視線を向けると、静華ちゃんが立ち上がって、こちらに向かって歩いて来ていた。


「蒼甫、優月ちゃん、瀬名君。やっほ」


静華ちゃんが右手を上げて、にっこり微笑む。


「まさか同じクラスになれるとは思わなかったわー」


「静華、どういうことだよ。説明しろよ」


「まーまー、蒼甫。そんな顔してたら、シワになるわよ」


「……っ。お前なあっ」


ふと周りを見ると、クラス中の視線がこちらに集中していた。


うっ、なんか恥ずかしい。


「お前らって知り合い?」


クラスの男子に尋ねられた。


「そうよ。あたしと蒼甫は幼なじみなの」


あっさり答える静華ちゃんにどよめく教室内。


なんか、やたら注目されてて怖いんですけどーーー。