片山くんが谷山くんの体をゆっくり床におろすと


彼は、目をつぶって首を横にふった。


また……一人……。


「なんで……!なんで谷山くんまで……!」

ヒステリックな声をあげる桃ちゃんに

「俺、見たんだ」


片山君は静かに言った。


「あいつが竹中を殺して、戻って来た時

一見、普通の顔してたけど

手が震えてた……。


今日の朝飯だって一口も食べずに、ずっと青い顔してて


谷山だってさ、恨みがあったとしても

仲のいい友達だったんだよ!

本当に死ぬと思わなかったんだと思う。

友達を自分が殺してしまった罪悪感と

悲しみを抱えたまま見てたんじゃないかな?

そんな中、啓祐が死んだ。
それでたぶん自分も……」