小木の沈黙を見て、機嫌をそこねてしまったかと
顔色をうかがうと
小木は絵を見つめながら言った。
「私ね、もう悲しい色の絵しか描けないの。」
初めて自分から、何かを話そうとする
小木に俺は、色を重ねながら耳を傾ける。
「2年前、
両親が交通事故にあって死んだの。」
その瞬間、俺の筆が止まった。
「信号無視した車が私に突っ込んで来たんだけど
両親は私をかばうように2人とも死んだ。」
筆をパレットに置き、小木を見ないで
コクリと頷く。
「私の目の前で、私を庇って死んだの。
何度も自分を恨んで、死んでしまいたくなった」


