ゲームを始めて9日目。


人の恨みや隠れた裏側を見るのは

見る側にもリスクがあるものだった。


「疲れちゃったね」

静香ちゃんは言った。


このゲーム中、楽しい話しや嬉しい話しなんてあるわけがない。

ずっと嫌な気持ちと恐怖に支配されていると

精神的にまいってくる。

すると静香ちゃんはポツリと言った。


「私の彼氏がね、モデルやってるって言ったじゃない?

今度ドラマに出ることが決まったらしいの」

疲れながら言う静香ちゃんにも少しの笑顔が見えて

私も少し嬉しくなった。

どんな些細なことでもいいんだ。