まさか会えるなんて思いもしなかった
字からいって高貴な方だろうと思っていたけれど………



「そうです。この間はありがとうございました。

会えるなんて思いませんでしたよ。
思っていた通りの女性ですね。」


うっすらと笑みを見せる。
けれど少し嘘っぽい



「それで、小鳥さんの名前はなんていうの？」


そんな事お構いなしに、すっと前に立って小鳥を見つめる
白音の瞳は小さな子供のようにキラキラと輝いている



「名前ですか………この小鳥に名前はつけてないです。……。」


彼女の態度に少し驚き、なんだか申し訳ないような顔をする。
相変わらず表情は薄い


しばらく二人とも黙り込んだが、白音が閃いたような顔をして、


「じゃあ、シルグっ！シルバーグレーの羽の色だからシルグ。どうかな？」


にっこり笑って小鳥を撫でる。
それを見てまた少し顔を赤らめた。


「いい名前……ですね。俺もシルグって呼ぶことにします。

………寒いのですか？」