「つーわけで…」

突然近づいてきたギルに疑問を持ちつつ見守る。

このとき、完全に忘れてた。

ーカプッ

吸血鬼は血を吸うことを。


「いっっっったぁぁぁぁ!!!!」

私の叫びに顔をしかめつつも血を吸うのをやめない。

「うわぁぁぁ!!」

2度目の叫びでようやく離れた。


「お前の血うまい。濃いし」

「うぅ。痛い…。いきなりは…。うわ、痕付いてる。うまいって何なの…。確かに毎日ほうれん草と大豆食べまくってるけど。鉄分いっぱい取ってるけど…」

血は血でしょ!

「ほぉ。じゃ、これからも俺のために鉄分取ることだな」

ニヤリと笑い「ごちそうさま」と自分の唇を舐める。


あぁ、大好きなほうれん草が嫌いになりそう。