吸血鬼に誘拐された場合。

数十分後、ご飯を完成させ、テーブルへ運ぶ。

今日のメニューはほうれん草の入ったグラタン。鉄分たっぷりだ。

これならギルも無闇に血を欲しがったりしないだろう。


「で、出来ましたよー…」

「…やっとか」

作らせておいてなんだその態度は。と言いたいが言った後自分がどうなるかくらいは、想像できる。

「…なんだこれ?」

グラタンをフォークで突つきながらギルが言った。

「ほうれん草の入ったグラタンです」

「…ほうれん草なんか入れなくてもお前の血あればいいんだけど?」

「物騒なこと言わないで早く食べて」