吸血鬼に誘拐された場合。

「わぁ!」

ギルに連れられてやってきたのはヨーロッパのような少し古風な商店街だ。

「この野菜美味しそう!」

「興奮しすぎだろ。ガキか」

「だって!こんなオシャレな町で買い物するの憧れてたし!」

へーと鼻で笑いながら言うギルに少し苛立ちを覚えながらも、今は買い物を楽しもうと思い、ここは敢えて無視。


「あれ?私人間なのにバレてない?」

周りを見れば触覚の生えた奴やら角の生えた筋肉ムキムキな奴やら、とにかく見た目がおかしい奴らばかりだ。

そんな中に居たら浮かないか?

「別に人間が居たっておかしくねぇよ。俺がお前を持ってきたように、いろんなやつが人間持ってきてるし」

要するにいっぱい誘拐してたら増えた、と。


「いや、それ犯罪」