誠は再びマークシート用紙を取ると、さっきおじいさんにもらったオッズ表を広げた。

「もう一回や!」

再び、次のレースの一万一倍を探した。すると、またもや発見した。

3−5−2。

今度は、書き間違えない。誠は慎重に書くと、発券した。


焦ったぁ……何、書き間違えとんねん……


再びレースが終わる頃、誠は換金所へ向かった。

「はい」

受付に、再び馬券を渡す誠。

「…何ですか、これ?」

「え?」

受付の言葉に、目が点になる誠。

「何って…馬券やけど?」

「全く、ハズレですが」

「……え?」

慌てて結果を見る誠。その順位に、凍りついた。



4−11−8。




「何でや……」

全然、違う。書き間違えたわけでもない。誠は何がなんだかわからなくなり、オッズ表を開いた。

「何や……どうなっとんねん…どうなっとんねん!」

慌てて次のレースを見る誠。そこにも、奇跡的に一つだけ一万一倍があった。何度も目を凝らして見る誠。確かに、一つしかない。

「今度こそ!これしかない!」

3−7−1。誠は馬券を買うと、気になってレースをモニターで見ることにした。

『さぁ、たった今レースがスタートしました』

実況が聞こえる。

「今度こそ、ハズすなよ」