…翼…






なんかすげー静かだな…











さすがにこんな沈黙は……











ふと助手席をみると















寝てるっ!!!











金原さんどんだけ無防備なんだよ!!











う〜わ〜……










寝顔もめっちゃ可愛いですやん…!!!











とーちゃく………














まだ…









寝てる…か……













段々と近づく金原さんの寝息













こんなに近づけたことが無いって位近い



































ダメだ……できない…

















ホント俺根性なし















次なんかねぇってのに……












もういいや…















『金原さん…金原さん…』












『ふ……ん…?』








寝ぼけてる笑









めっちゃ可愛い……











『着いたよ』











『えっ⁇もうっ⁈』












『ほら、降りて』









『うん……』












ちょうど良い時間かな













オレンジ色に染まる夕日が湖に照らし出されている











ここを見つけたのはつい最近












見つけたっていっても友達の釣りに付き合わされて帰り際に見たこの景色が忘れられなかった

















『綺麗………』











『だね』












『よくこんな山奥のトコロ、知ってるネ』











『まぁだてに暇してませんから笑』













『なるほど笑』













『くしゅんっ』








『寒い?』











『んーん大丈夫っ』









『金原さん薄着じゃん
夕日も沈んじゃったし、帰らないと』










『そーだね』









『ねぇ先生…』















『ん?』











『なんで先生はアタシにこんな優しいの?』





















『……さぁ…?
なんでだろうね……』













それから一言も言葉を交わすことなく金原さんの家の近くに着き、











『今日はありがとうございました
じゃあ塾で』

















の一言だけを言い、帰ってしまった


















キミは特別だから


キミのことが好きだから


キミを自分のモノにしたいから


キミといる時間が少しでも長くしたいから











今なら言える気がするのに














キミはいなくなってしまう