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これじゃまるで家出少女みたい。
唯一小さな屋根のある公園のはしっこに腰かけて、自分を嘲笑った。
濡れた服が寒い。
気合い入れた髪型も、雨に打たれてどうしようもなくなっていた。
時計を見る。もうすぐで朝の5時だ。
終電で帰ろうと思えば余裕で間に合った。だけどあたしはここに留まった。
理由は自分でもわからない。佐倉さんを振り切れない自分がいたからなのか、ただ単に、帰る気力がなかっただけなのか。
家に帰っても寂しいのは同じだし。
どこかであたしが呟いた。
どこに行っても寂しい。そんなこと解りきってるはずなのに。
ただ、最近はちょっと幸せだったから。
幸せが長く続きすぎたから。
だから、欲張りになってるのかな。
期待しちゃだめだって、何度も自分に言い聞かせてきたのに。
靴が濡れてる。
せっかく知恵達がくれたのに。
「…ごめんね」
ごめんね。幸せな時にだけ、履いてあげたかったのに。
ごめんね、こんなに冷たくて。
こんなに、寂しくて。



