チェリー~君が呼ぶ、あたしの名前~


…ホントにあたし、ここにいていいのだろうか。

高速を走りながら、膝の上で両手を握りしめる。

佐倉さんの車の助手席に乗るのは、これで三度目だった。

一度目は初めてご飯に行った日。
二度目は初めてホテルに行った日。

あたしは二度目が、多分最後だと思ってた。

だからこそ今のこの状況が信じられなくて。

チラリと盗み見る様に佐倉さんを見た。

左手で煙草を吸いながら、右手でハンドルを操る。
その横顔はホントに綺麗で、あたしの心臓のスピードを速めさせた。

ふいに佐倉さんの視線が動く。目があって、あたしは思わずそらしてしまった。

狭い車。心臓の音、絶対聞こえてる。

「何か聞く?」
「え?」
「適当に見てみて。何枚かCDあると思うから」

佐倉さんが手探りで取り出したケースを受け取り、中身を丁寧に見ていった。

知らない洋楽が殆んどで、どれがいいかなんてわからない。

どうしようと思っていた時に、ふいに一枚のCDが目に止まった。

驚いてそれを取り出す。