チェリー~君が呼ぶ、あたしの名前~


……………

待ち合わせ時間より少し早く着いてしまった。
そわそわしながら、佐倉さんの言ってた通りに入り口近くの椅子にバッグを置く。

腕時計を見ると6時30分。まだ30分もある。

軽く深呼吸して、とりあえず何か頼まなきゃとホットチョコレートを頼んだ。

席について、ホットチョコレートを一口飲んで、それでようやく少し落ち着く。
窓の外と腕時計を、視線は何往復もした。

赤いプリーツのミニワンピに、サブリナデニム。知恵達にもらったパンプスを履いて、昨日買ったゴールドのネックレスをつけた。
髪もいつも以上に念入りにチェックして、うるさくならない程度に緩く巻く。移り香を防ぐために、香水はつけていなかった。

…大丈夫だよね。おかしくないよね。

何度も鏡を覗いて、メイクのチェックも怠らない。

前髪を流しながら、鏡の中の自分を励ました。


こんなに緊張するのは、多分待ち合わせの場所のせいで。

いつもはホテル前なのでそんなに気にならないけど、今日みたいにスタバで待ち合わすって、なんだか…なんだか、デートみたいじゃない?

デート。佐倉さんとの関係には、余りにも不釣り合いな言葉だ。