チェリー~君が呼ぶ、あたしの名前~


ねぇマモル。

あたし、わかった気がする。

今日家に戻って、お姉ちゃんと久しぶりに会って。


あたしはいつも上手く人を愛せない。

恋人だけじゃない。友達もそう。いつもあたしは、誰かを上手く傷つける。

いつも素直になれないの。
素直になれないから嘘をついて、それを隠すために偽物の笑顔を振り撒いて。

なんでだろうって思ってた。
なんであたしは、いつもこうなんだろうって。

簡単だった。

あたしは、愛されてないから。

無条件で愛してくれるはずの家族にさえ、あたしは愛されていない。

昔から、そう、まだ小さくて、何に対しても純粋でいられたあの頃からずっと。


…愛せるわけがない。

愛されてこなかったあたしが、人を愛せるはずがないんだ。

多分、もうずっと。
あたしは人を、上手く愛せない。

傷つける愛は得意なのに。

それは、あの綺麗で冷たい視線への腹いせなのかな。

お姉ちゃんには、家族には何も言えないから、だから人を傷つけるのかな。

ねぇマモル。

マモルは、どう思う?