チェリー~君が呼ぶ、あたしの名前~

「ありがとうございます。宮川さんと姉妹だなんて、凄い誉め言葉ですよ」
「もぅ、口ばっかりうまいんだから」

苦笑する宮川さん。その横で春哉さんも、優しい笑顔を称えていた。

白いパンツに黒のシャツ。シンプルな服だけど、綺麗な形や色がスラッとしている春哉さんによく似合ってる。

背の高い春哉さんと宮川さん。ぱっと見この二人は、お似合いのカップルだ。

と言うより、宮川さんを見つめる春哉さんの優しい目線は、愛しい人を見つめるそれで。

あぁ、やっぱり好きなんだな。

「宮川、昼は?食ってないならどう?」
「あ、でも今から亜弥ちゃんが行くから…」
「あっ、いいですよ!あたしまだそんなお腹すいてないし、先に行ってきて下さい」

思わずそう言って、手に持った財布を置いた。
「いいの?」と申し訳なさそうな顔を向けてくる宮川さん。

「全然いいですよ。そのかわりあのベーグル、買ってきて下さい!」

笑顔で言うあたしに、宮川さんも「わかった」と笑って言った。

「ごめんね」と言う春哉さんにも同じ笑顔を向けて、二人を見送る。

窓から見える二人の背中。
どこからどう見ても、やっぱりお似合いのカップルだった。