はい、と携帯を取り出す。プロフィールを表示して、それを宮川さんに見せた。
「ごめんねー。あたしの機種、赤外線ついてないのよね」
「結構前のですか?」
「っていうか、お古?お兄ちゃんが使ってたのもらったの」
ずっと携帯持ってなかったんだと、恥ずかしそうに言った。苦手なのよね、近代文明。
「あれ?」
ふいに宮川さんが呟いたから、あたしは何か変な画面を見せてしまったんじゃないかと冷や汗をかく。
別に見られて困るものがあるわけでもないのに。
「どうかしました?」
「ねぇ見て。あたしと亜弥ちゃんの番号、二桁しか違わないよ」
物凄い発見をした子供の様な笑顔で、携帯を見せてきた。
確かにすごく似てる。5と6、3と8を変えたらあたしの番号だ。
「へぇ…こんなことってあるんですね」
「でもラッキー!覚えやすいねっ」
登録しちゃったら覚える意味なんてないと思ったけど、宮川さんの無邪気な笑顔に「そうですね」と笑顔で答えた。
と同時に、何かがひっかかる。
何か、こんなことが前にもあったような。



