チェリー~君が呼ぶ、あたしの名前~


……………

「あははっ、それは宮川らしいなぁ」
「もー笑い事じゃないですよ!?あれから3日、かなりこき使われっぱなしなんですから!」

3日目のバイトが終わった後、知恵と春樹と一緒に春樹のお兄さん、春哉さんの家に来ていた。

春哉さんは相変わらず親切で、バイト疲れのあたしに夜ご飯を出してくれた。(しかも手作り。そして超美味しい)

「まぁでもいい奴だろ。サバサバしてるっていうか、媚び売らないっていうか…」
「…確かに、いい人ですけど。ベーグル奢ってくれるし」
「ベーグル?」

ビールを飲みながら、春哉さんはははっと笑った。

宮川さんはかなりあのベーグルにはまっているらしく、行くといつもあたしにひとつ分けてくれる。
あまりにも幸せそうに食べるから、こっちまで幸せな気分になってくるのだ。

「そういえば、春哉さんと宮川さんってどういう関係なんですか?同じ大学?」
「あぁ…」

聞いてない?と言いながら立ち上がって、つまみの調達にキッチンに向かう春哉さん。

「宮川、大学生じゃないんだよ」
「え?」
「年は同じなんだけどね。まるっきり独学」