「な、なんだか寝苦しそうにし、してたと思ったら、その……」

 口元にそでをあて視線をそらし、泳がせてみるみる顔を紅潮させていくまゆみ。

 へ?

「きゅ、急にそんなこと、い、いわれても」

 落ち着きなさそうに前髪をいじったり手の甲をそででこすったりしていた彼女は突然ぱっ、と立ち上がったかと思うと、

「か、帰るね!」

 そういってばたんがしゃんと何かにけつまづいたりあたったりして慌しく部屋を出て行った。

「……へ?」

 徐々に意識がはっきりしてくる俺。

 と同時に、体温計が月までぶっとびそうなくらいに一気に体温が上昇する。



「あ、あ……ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」



 そう、俺は現実のまゆみに何の前振りも用意もなく唐突に告白してしまったのだ。

「あああぁぁぁぁぁぁぁ……」

 俺はもはや指の一本も力を入れられず、ただただ自分の間抜けさ加減に絶望し布団の中で叫びともうなりともつかない声を上げ続けて長い長い夜を過ごすのだった。


 もちろん、一睡もできずに、ね。