「あ、できたてであっついから気をつけてね?」

 うん。

 たぶん問題はそこじゃないとは思うけどね。

 なぜだろう、暖房をつけてるわけでもないのに額から汗が……。

 しかもやけに冷たい。

 鼻から飛び出しそうな心臓の鼓動はおそらくなにかの危険信号なのだろう。

 これはもう俺の中の生存本能と愛情の葛藤だ。

 どちらが勝ってもきっといいことはまったくもって、ない。

 しかし選ばなければ物語は先に進まないんだよな。

「く……ぬぅ……」

 えぇぃ、いつまでもこのままこうしているわけにはいかない。

 男をみせろ、草太!

 よく見るとあさつきがニラに見えるのは気のせいだ!

 俺は意を決してレンゲで粥(らしきもの)をひとすくいし、

「いただきま~っす……ん、んぐ、んぐ……んぐっ!?」

 こ、これは……!?