俺は開けたばかりの扉に鍵をかけて駐輪場まで急いで駆け下りると、愛車にまたがり再び緑の絨毯を目指した。

 すべきことは、はなっからわかってる。

 問題はそれに向かって全力が注げるか、それとも当初の目標や目的を誤魔化して先延ばしや妥協をしちまうかなんだよな。

 俺は“鳥ささみ入りのパスタ”が食べたいんであって、他の何かなんて欲しくないんだよ。

 ったく、今更だ。

 それが俺のポリシーだったろう?

 アイデンティティだったろう?

“こだわり”だったろう?

 あぁまったくもって今更な話だ。

 こんなことを他人にいわれて気がつかされるなんて、な。

 
 明日からはチラシは読んだら返しておくことにしよう。

 うん。