clover's mind

「うぉぉぉぉぉぉぉいぃぃぃぃ!!」

 少なくとも腕が十本つながっても届かないほど先をまゆみはスタリスタリと歩いていやがった。

「まてぇぇぇぇい!」

 先ほどまでの緊張はどこへやら、俺は全速力でこのやろうの後を追いかける。

 あ、もちろん愛車を押しながら。

「おまえ!」

「なぁに?」

「なぁに? じゃない! 人の告白をちゃんときいてたのか!」

「きいてたわよ?」

 振り返りもせずさらりと答えやがる。

「じゃぁ普通はその返事を──」

「やだ」

 このやろう……「イェス」でも「ノー」でもなく、いうにことかいて「やだ」と答えるとはどういうこった?

「おまえ、人の一大決心をだな……」

「……だもん」

 ん?

 ぼそっ、と何かをつぶやくまゆみ。

「あ? なんだって?」

「……したんだもん」

「は?」

 表情をみてやろうと俺が前にまわろうとすると早足になって前に出させないまゆみ。

 なんだってんだ?