clover's mind

 とめどなくとめどなく溢れ出るこの想いは、他のどんなものより優れもの。

 ガソリン?

 目じゃないね。

 ニトログリセリン?

 鼻で笑って桶屋が儲かるさ。

 ジェット燃料?

 はん!

 このとびっきりの“恋”って燃料なら──月だって一足飛びさ。

 だからこいつを足に流し込んでペダルをこげば夕陽を追い越すことなんてわけない。

「ぬうぅぅぅりやぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 今までこれほど愛車を“飛ばした”ことは、ない。

 この勢いが冷めないうちに、という思いもあったかもしれない。

 それも確かにあっただろう。

 尻込みしちまうかもしれないなんてことを考える余裕を自分に与えたくなかったのかもしれない。

 それもまた確かにあっただろう。

 自分だけの、誰にも演じることのできないこの物語に酔いしれていたのかもしれない。

 それも確かに否定できないしするつもりも、ない。



 けれどそれ以上に、俺は、なによりも──