結果、昨日と同様の怒涛(どとう)の沈黙タイムが無常に過ぎていった。

「じゃぁあがります」

「おぅ、お疲れ」

「お、お疲れ……」

「お疲れ様でした~」

 で、気付けばまゆみが帰る時間。

 なにもできずに見送る俺。

「はぁ……」

 なぜ、まゆみは四葉を探さなくていいといったのだろう。

 本当に、本当にわからない。

 彼女の真意が毛先ほどもつかめやしない俺は脳みそをタワシでこすりたいほどにぐぬぐぬ悶々としていたけれど、それでも時間は流れて客は──勢いはなくなったが──やってくる。

 今すぐ今朝直したばかりの愛車をかっとばしてどこぞの浜から海に向かって叫びたいところだ。

 こうも頭の中がこんがらがってたんじゃぁなにも手につかない。

 と、いいたいところだがそこはやりなれた仕事。

 俺は考え事をしつつも淡々とカウンターとテーブルをいったりきたりしてこなしていく。