「うっ……。でも、1cm伸びたもん」
「俺は去年より5cm伸びたぜ。185cm」
高すぎじゃ!
私と何cm差ですか!?
34cm!?
あり得ない!!
ものさし一本分よりも高いなんて!!
せめて区切りよく4cmください!
「ふたりとも測り終わったから、もう帰っていいわよ」
保健室の先生は、この私の喜びを分かち合おうともしてくれることもなく、
淡々とそう言ってきた。
「ハム子帰ろうぜー」
当たり前のように、こんなことを言ってくる緒方くんに、
なぜだか、どう対応していいか分からなくなってしまう。
男の子と下校したことなんて一度もない。
戸惑う私とは対象に、緒方くんはなんでこんな普通なんだろう。


