「なんでもねーよ!」
そして、私から離れると雅先輩のもとへと行ってしまう。
「なんでもないの?
あたしは陸に用があったの。
ねぇ、今日家に行っていい?」
えっ……?
家……?
雅先輩の言葉に、呆然とする。
「なんだよ急に。今まで来なかったじゃん」
「ちょっとね、いろいろあって……」
悲しそうな、複雑そうな顔をする雅先輩。
でも、一瞬だけ私をチラ見して、笑ったような……。
「……今、家に猫がいるから、やめとけ」
「えっ。陸、猫飼ったの!?」
あからさまに嫌そうな顔を見て、雅先輩は猫が嫌いなんだって分かる。


